いしだ壱成が探偵学校に入学していた
カテゴリ: 探偵物語
どうも。
8×4を使い始めて『結構気持ちいいわねぇ』と思っている者です。

本日のBGM
BAD CITY / SHOGUN



さてと。
ちょっと古いけど、こんなニュースが入ってます。

★いしだ壱成が探偵学校に入学していた…「探偵に昔から興味があった」と入学動機を語る

俳優・いしだ壱成が先月初旬より都内の『MR探偵学校』に入学していたことが7日、わかった。
ORICON STYLEの取材に対し、いしだは
「もし役者や音楽以外の仕事をしていたら探偵になっていたかもと思うぐらい、昔から興味があった」
と入学動機を説明。
「演技での役作りのためにも必要になることもある」
と役者業への還元も含め、あくまでも自発的なものだという。

今年1月に女優・川合千春 と幼なじみのAさんとの二股交際が発覚した騒動での謹慎を経て、5月より舞台『新・罪と罰』で活動を再開させたいしだだったが、次に選んだのはまさかの探偵学校だった。
既に同校の公式サイトには、授業を受けるいしだの写真が何枚も掲載されており、一見すると広告塔ととれなくもないが、担当マネージャーは
「そのようなことはなく、壱成が元々興味を持っていたので入学させていただきました」
としている。

いしだは
「他の生徒と一緒に追跡などの研修にも参加し、いろいろな技術の習得を楽しんでます」
というが、現在までには時間の都合で数時間しか授業に参加できておらず、今後も時間が空き次第積極的に参加するとしている。
その一方で
「自分も追跡されたことが何度もあるので、逆の立場に興味があったんです」
と芸能人なら一度は抱くであろう本音も飛び出した。

ただ、探偵は秘密裏に行うものという大前提があるとすれば、大々的に顔を知られているいしだが探偵業をやるのは前代未聞。ともすればやはり、あくまでも役作りの一環というところに落ち着くのだろうか。

ソース http://juken.oricon.co.jp/67509/full/
MR探偵学校公式HPより http://www.0057.jp/guide/scene.html

昔からの読者さまにとっては「今更?」でしょうが。
私もれっきとした元・探偵です。

国内でも結構大手の興信所で、調査員として勤務していました。

浮気調査、素行調査、家出人捜索、ボディーガード(のようなもの)。
尾行、張り込み、車両追跡、証拠写真の撮影も当然かなりの数をこなしました。

その私が、上記リンク先の探偵学校HPでの彼の調査ぶりを見た感想を言わせてもらえるならば・・・

車両追跡に関しては様になってるように見えます。
ただし、ドライバーが彼ならば。です。
写真を見る限りでは、彼は助手席に座ってますね。
これは撮影者である彼ではなく、ドライバーを褒めるべきです。
ただ、写真だけを見るならば、まぁ及第点。
ナンバーがハッキリと写っている(であろう)写真は最低限度の条件です。ナンバーが写っていなければ
「単に車種が同じだけの違う車」
と言い張られれば終わりですから。
どの辺りを走っているかが判りやすい構図もバッチグー(私語)
対象車両の助手席に、誰かが座っているのが明確に分かる写真ならもっと良かった。
ただ、このドライバーが満点かというと、実はそうでもなくて。
交差点付近で違う車線にいるのは、失尾の危険性が大で大きなマイナスポイント。
重要なのは「車に乗っている写真」ではなく、「女性が乗った車がドコに行くか」ですから。
実は車と車の間に一台別の車を挟んで、同じ車線にいるのが結構有効な時もあります。

徒歩による尾行ですが、確かに距離感は良い感じ。かなり良い距離を保ってます。
ただし、服装がよろしくない。
印象に残りやすい服装ですね。写真を見ると半袖の女性も写ってます。
なのにマフラー?(か、どうかはしりませんが、首に何か巻いますね)
芸能人らしいおしゃれな格好ですが、探偵としては「?」です。周囲の状況に溶け込みやすい格好がベストです。

階段の影から覗く姿も、確かにドラマではよく見かける光景ですが、現実の調査では目立ちすぎます。
周囲に「尾行中です!!」とアピールしているようなもの。
対象者が気づかなくても、通行人が
「アンタ、変なのにつけられてるよ」
と余計な事を言うパターンも少なからずあります。
警官に見咎められる事もあるのです。
物陰に隠れながら、いかにも「盗撮中!」の撮影も×。(もちろんそれが必要な時もありますが)

まぁ、それでも尾行している時は実は結構楽なんです。
本当に大変なのは、対象者が動かない時の張り込み。

「実習」と「現場」は大きく違いますよ〜。
私は「現場」で鍛えられた探偵(元だけど)ですから、その辛さはこの身をもって実感してます。

探偵学校やってるようなトコロは、一人で調査なんてやってないんでしょうね。
このHPを見ても、少なくともドライバーが一人いるし。
俺のいた興信所なんて、常に一人ですから^^;
本当に大変だったんですよ。
張り込み中のトイレもそうだし、真夏の車内での張り込みも(エンジンかけれないし、窓は閉めてなくちゃだし、クーラーなんて当然×だし)死ぬ一歩手前だし。
ヤブ蚊が飛び回ってる草むらで、身動きせずに張り込む事だってある。

探偵は、下手すりゃ「前科」だってつく過酷な仕事。
俺も2回ほど、警察の取調室で取調べを受けました><
まぁ、それは俺が失敗したからで自慢できることじゃないんですけども。

そんな私の体験談・・・興味のある方はカテゴリ「探偵物語」からどうぞ^^

以前のブログ「やまさんのお気楽日記」のカテゴリ「探偵物語」でも公開中^^



応援よろしく おかげさまでそこそこいい調子^^ありがとうございます^^ 


今日の画像 絶対わざとやってます^^
SEX
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※Read moreから「今日のお宝画像」

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Edit / 2009.07.11 / Comment: 11 / TrackBack: 0 / PageTop↑
高校生の家出
カテゴリ: 探偵物語
最初にお知らせ
キリ番「55555」企画進行中です。
見事「55555」をGETした方に、もつ鍋セットをプレゼント!
詳細は以下のリンク先の記事を御覧下さい^^

http://yamasann0940.blog62.fc2.com/blog-entry-1260.html


どうも。
発泡酒を一本だけしか飲んでいないのに、眠気がきている者です。

さて、古くからの読者様なら御存知でしょうが、わたくし、元・探偵であります。
大手の興信所で調査員として勤務しておりました。
カテゴリ「探偵物語」は、その頃のエピソードです。
ご興味のある方は、引越し前のブログ「やまさんのお気楽日記」のカテゴリ「探偵物語」も併せてどうぞ。

まぁ探偵と言っても、皆様御存知のように、テレビドラマや小説のような華々しい活躍などありません。
御手洗潔や金田一耕介、明智小五郎。金田一一や江戸川コナンのようなカッコよさなど、夢のまた夢。

実際の探偵は・・・・・
ヤブ蚊に食われながらの、藪や草むらの中での張り込み。
真夏にクーラーもつけずに、窓も締め切った車の中での張り込み。
寒風吹きすさぶ中での屋外での張り込み。
今考えても『よく、あんな事やってたなぁ・・・』と、自分でもそう思います。

取り扱う仕事は様々。多い順に並べれば
「浮気調査」「素行調査」「家出人捜索」「盗聴器発見」「ストーカー対策」
後はココでは書けない非合法の仕事も^^;

今日は、その内の「家出調査」についての記事を。
探偵を辞めた今でも秘守義務がありますので、差し障りの無い情報だけの公開ですが、御理解くださいませ。


「息子が家出したので探し出して欲しい」
我が福岡調査事務所に、その依頼がなされたのは某年の初夏。
依頼人は家出した“本人”の両親。
家出したのは高校2年生の男子。
家出した理由は、男女交際を親に反対されたから。
実はこの男子生徒、福岡ではスポーツの名門校として知られるT高校の生徒で、柔道で特待生として入学し活躍していた生徒。
T高校の柔道部と言えば、全国大会レベルの名門校。

よくよく話を聴いてみると・・・・・
男子生徒(以後、本人と称す)に最近彼女が出来たとの事。お相手は同じ高校に通う女子生徒。
しかし・・・・
近づいている柔道の大会のレギュラーとして選出されたにも関わらず、彼女との事が原因で練習に身が入らなくなった本人。
監督から叱責され、両親からも叱られる。
そりゃそうだろう。特待生なんだもんね。
そして、そんなある日・・・・本人が消えた。

調査を担当したのは、我が福岡調査室の不動のエース、M主任と私。
本人がもらした「地下鉄の工事現場で働いている」の情報を元に、工事現場の数々を回りましたが見つかりません。

とはいえ・・・高校生の家出なんてたかが知れてます。

本人自ら自宅に電話をしてきた。
両親から諭され「今なら監督も許すと言ってくれてるし、大会にも出すと言ってくれてるから」
その言葉に、本人、たった数日の家出を中止して自宅に戻りました。

監督にも詫びを入れ、試合にも出場。
勝敗?訊いてませんが、多分負けたんでしょうね。
ご両親何も言わなかったし。

え?
「自宅に戻った後の話を何故知ってるのか」
ですって?

うーん、あなたは鋭い!
そう、この話には後日談があります。

一度は自宅に戻ってきたものの・・・
両親の不安が消えることはなかったのです。
私達調査員は、両親の依頼で、休日の本人と彼女のデートを尾行することに。
両親からの情報どおり、博多駅のバスセンターに現れた2人
体つきはデカイものの、顔には幼さが残る高校2年生の男子。
そして、その横には・・・・・

思わず顔を見合わせる俺とM主任。
M 「これは・・・・・」
俺 「なんとまぁ・・・・」
そして2人揃って同時に・・・

「そりゃあ狂うわ」

本人の横に立っていたのは・・・・・
とても女子高生とは思えないダイナマイトボディ。
身体のラインがハッキリと判るボディコン(死後?)系の服。
例えるならば、グラビアの女王として全盛期の頃のMEGUMI。
性的な好奇心も高い高校生男子。

そりゃあ狂う

柔道どころじゃないよね。
横にこんな女の子がいたら・・・・
その気持ち、同じ男としてよく判る。

とにかく2人で尾行開始。
ウィンドーショッピングやゲームセンターで時間を過ごす2人。
そしてそれを尾行する無粋な2人。

しかし・・・・・
やがて朝からずっと後をつけて来る2人に、いいかげんこの2人も気付く。
そこから先の尾行の難しいことと言ったら^^;
いきなりバスに乗ったかと思えば、次のバス停で降りたり。
デパートのエスカレーターに乗ったかと思えば、降りた途端に2人で猛ダッシュで走り出したり。
2人の尾行をまこうとしている事は明白。
つーか、尾行がバレてる時点でホントは失敗。
しかしこちらもプロと、そのはしくれ。
簡単には引き下がれない。
くらいつく。

俺 「もう無理ですよ。完璧にバレてますもん^^;」
M 「無理やな、たしかに^^;でも、ま、とりあえずやろうか」

そんな会話を(電話で)交わしつつ(こちら2人は一緒に歩いてはいない。少し距離を置いて道路の反対側を歩いている)尾行を続行。
撒かれたフリをして、すこし相手を自由に泳がせることにした。
やがて2人は住宅街の公園のベンチに座る。
俺はそれを見る事が出来るマンションの階段の踊り場から、2人を撮影しつつ監視。
やがて本人は、ズボンのポケットから煙草を取り出し、口にくわえて火をつけた。
当然の如くシャッターを数枚きる。
M主任から電話が入る。
『今の撮った?』
「もちろんですよ。多分ご両親は子供が煙草吸ってるの知らないでしょうからね」
『俺もそう思うっさい』(俺もそう思うんだよ)

やがて日が暮れ、2人も帰宅。
これ以降、この2人に関する調査は入らなかった。

今、どうしてるのかしら、この2人。
まさかこの2人で結婚してるなんて事はないだろうけれど。

あの時は邪魔してゴメンね。
俺も仕事だったから仕方なかったんだよね><


Edit / 2008.11.30 / Comment: 7 / TrackBack: 1 / PageTop↑
火事の記憶
カテゴリ: 探偵物語
どうも。
一部の方に根強い人気のカテゴリー「探偵物語」を、久しぶりにUPしようとしている者です。


30日夕に起きた兵庫県明石市の住宅密集地での民家火災。
パート先から母が駆けつけたときには、家は黒煙につつまれ、中に入ろうとする母を警察官らが押しとどめた。家計を支えていた母の不在時の惨事に、近所の人らは沈痛な思いで焼け跡を見つめた。

火事は、パート従業員の末広美和さん(33)方で発生。
近所の人が爆発するような音で火事に気づき外に出ると、末広さん宅2階から窓をバンバンとたたく音と、子どもの「助けて」「開けられへん」という悲鳴が聞こえた。隣人男性が消火器を持って中に入ろうとしたが、玄関、1階の窓とも鍵がかかっていた。
男性は「子どもたちの『助けて』という声が頭から消えない」と嘆いたという。
近所の友達から連絡を受けた母の美和さんが駆けつけた時には、子どもの声も聞こえなくなっていた。美和さんは家の前で泣き叫んでいたという。

地元消防団の男性は午後4時10分ごろ、無線で火事の一報をキャッチ。10分ほどで現場に着くと
2階の割れた窓から男の子が上半身を出してぐったりしているのが見えた。1階のひさしに消防隊員が上って、窓からその男の子を引っ張り出そうとしたが、炎が激しくなり、救出できなかった。

兄弟3人の遺体が見つかったのは2階の和室。美和さんが不在の時は、長男の颯(りゅう)君(8)が弟の心(しん)ちゃん(5)と澪(りょう)ちゃん(3)の面倒を見ていた。
明石市消防本部の消防隊員が到着したときは、家からは黒煙が大きく立ち上っていた。
明石署などは煙が一気に勢いを増したため、3人は玄関から出られなかった可能性が高いとみている。

末広さん一家は約3年前に引っ越してきたという。
颯君と同じ小学校に通っていた近所の男児は、兄弟3人とよく虫捕りや鬼ごっこをして遊んだ。「よく知っているお友達がこんなことになって、信じられない」と話した。

娘が颯君と同級生という近所の主婦は、美和さんが自転車の前と後ろに心ちゃんと澪ちゃんを乗せ
保育園に送り迎えをしている様子をよく見かけた。颯君が自転車でついていっていたという。(一部略)

ソース  http://www.asahi.com/national/update/0830/OSK200808300096.html


記事にするにはタイミング的に少し遅いのだけれど・・・・・。

なんとも悲しく、痛ましい事件が起きてしまいましたね。
どんな事情で母子家庭になったのかは定かでは無いけれど
子供達の傍に母親がついていれば、こんな事にはなっていなかった。
けれど、子供達を養い育てていくには、母親が働きに出るほかは無かった。
目の前で激しく燃える家を、どれほどの絶望感でみつめていたのか。
私にはかけてあげる言葉すら見つかりません。

亡くなった子供も、そしてこのお母さんも気の毒で仕方が無い。
誰も好き好んで、小さな子供を家において出て行ったりはしないよなぁ・・・・・・。

・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いや・・・・・・・・・・
いたな・・・・・・・・・・・・
そういうヤツを知ってるわ、俺。


昔からの読者さまなら御存知でしょうが、私、元・探偵です。
かつて興信所の調査員として勤務していた事があります。
ちなみに国内でもかなり大手の興信所です。
素行調査(浮気など)や家出人探し、ボディーガード、ストーカー対策・・・・
色んな依頼に応えてきました。
今日は、その頃に私が“現場入り”したケースを紹介します。

例によって、興信所を退職した現在でも秘守義務がありますので、差し障りのある部分については秘させていただきます。

その依頼が、我が福岡調査室に持ち込まれたのは夏も終わろうかという、丁度今頃の季節だったように思う。

「昔の恋人が、今も元気でいるかどうか調べて欲しい」
20代後半と思しき女性からの依頼だった。
何でもかんでも見境なく依頼を受けるワケにはいかない。
依頼の内容、そしてその理由を聞いてからでなければ、依頼を受ける(これを「受件」と言います)事は出来ない。
調査の結果を悪用されることが無いとは言えないからだ。

詳しく事情を聞いた営業担当の所長は、その内容に驚きつつも「受件」した。
そして書き上げられた「調査依頼書」が、我々調査員の詰め所である調査室に届けられる。
この件を担当することになったのは私。
依頼書に目を通しながら所長から詳細を聴く。

「早い話、このAさん(依頼者の元・彼氏)が、今、どうしてるかを調べれば良いんですね?」
との私の問いかけに所長が答える。
「というか、写真だけで良い」
「写真だけ?勤務先とかはいいんですか?」
「いい」
なんかいつもの所長と違う・・・どうも不機嫌なのだ。
「あの・・・何か怒ってます?」
「・・・・・・あのね、実は・・・」
所長が語り始めたその話に、私も憤りを感じた。

「3〜4年前に、福岡の○○市で留守番していた小さい子供3人が焼死した火事があったの覚えてない?」
「?」
記憶を辿ってみた。
たしかにそういう火事があった。たしか長男でも小1とかじゃなかったっけか。
両親も、同居していた祖父母も留守にしていた一軒家で起きた悲惨な火事。
「あー、ありましたね、子供達が可哀想だったんでよく覚えてますよ。たしか家にいる筈の母親が友人に会うために、少しの間だけ外出していた時に起きた火事でしたっけ」
「そういう風に報道では流れてるけどね。本当はその母親は浮気相手と会ってたのよ」
「えええええええ、最低」
「今回の依頼人はその母親。本人(調査対象)はその浮気相手」
「えええええええ」
一同ドン引き。

「じゃあ、こういう事ですか?数年前の火事は、家人の留守をいいことに子供を家に置いて浮気に出かけた妻の留守中に起きた火事で、今回の依頼はその妻がその浮気相手が元気でいるかどうか知りたがってるって事ですか?」」
「そういう事」
「最低の女ですね!」
「そう思うよね」
「そりゃそう思うでしょ。自分の子供が3人、自分の浮気が原因で死んでるんですよ?なのにその男に会いたい?他にやるべき事があるでしょうが!」

所長も軽く依頼者には説教したそうな。
この依頼者、火事の後の事情聴取やら家人からの詰問で(当たり前だし、自業自得だが)浮気がバレ、浮気相手とも別れさせられた上に、莫大な賠償金と慰謝料を背負っていた。
まともな仕事ではとても返せない金額。
結果、彼女は風俗嬢に。

ここらへんは俺には理解できねぇんだけど・・・・・
自分の浮気が原因で、自分が腹を痛めて生んだ子供が3人も焼け死んで。
それにも関わらず、その浮気相手に会いたいと思うものなのかしら。

そんな女は嫌だ!!

個人的には色々言ってやりたいものを、ひとまず胸に収めながら現場入り。
元彼(以後Aとする)の家は解っている。
今もそこに住んでいるのかを、まずは確認しなければならない。

A宅に移動。
近くの神社の駐車場に車を駐車し、A宅周辺の内偵を開始。
A宅は2階建ての古いアパート。表札を確認した限りでは母親と二人暮しのようだ。
周辺を捜索していると、近くの路上にAの使用車両を発見。
うっすらと埃を被っている。ここ数日間で使用した形跡は無い。
ひょっとするとここには住んでいないのかもしれない。
この付近にバスは通っているものの、車がないと買い物にも困るくらいの、決して便利とはいえない場所。
ここに住んでいるのなら車は使う筈。
助手席側のタイヤの上に小石を乗せ、この日の内偵は終了。
次に見た時にこの小石が無ければ車が動いたという事だ。

だが、この後もこの小石はタイヤの上に乗ったままだった。
車は一度も動く事が無かった。
無論、Aの出入りも張り込みの結果確認出来なかった。

実は受件の際、所長は依頼者と約束していた。
「調査には入る。しかし数日間の調査で結果が出なければ諦めなさい」
と。
どうやら件の火事の後、夫の家族がAと依頼者を別れさせる為に「右翼」や「その筋」の方々を使ったらしい。
Aの勤務先にもそうした方々が出向いたそうな。
Aもかなり怖い目に遭った事だろう。これまた自業自得であり、当然の報いだと思うけれども。
下手にAをつついて情が再燃しても、またそうした方々の耳に入れば厄介な事になりかねない。

「触らぬ神に祟りなし」
「君子危うきに近寄らず」
例えは何でもいいがそういう事だ。
それに死んだ子供への贖罪もあろう。
今の依頼者の姿では死んだ子供も浮かばれない。

依頼者もそれで納得していた。
そして契約していた調査日程が終了し、私もこの胸糞悪くなる依頼から無事外れた。

いつもの浮気調査の方が余程気が楽だ。

そう感じた依頼でした。


Edit / 2008.09.05 / Comment: 2 / TrackBack: 1 / PageTop↑
ストーカー(再録)
カテゴリ: 探偵物語
どうも。
久しぶりに引越し前のブログ「やまさんのお気楽日記」を読んでいる者です。

さて、私が昔探偵だった事は昔からの読者様ならば御存知でしょう。
当ブログのカテゴリ「探偵物語」は、その頃のエピソードを紹介しているカテゴリです。
「やまさんのお気楽日記」にも同じカテゴリ名で記事をUPしてるのですが、今回はその中でも私の記憶に今も鮮明に残っていて、思い出深いエピソードを再びココで紹介します。


ストーカー(前編)

恥ずかしい話ですが、私は今までいくつかの職に就いてきました。
まぁ、恥ずかしいと言っても自分自身に恥じる処はないのですが

先日投稿した「ホルモン炒め」で触れた、居酒屋の料理人もその一つですが
某大手興信所で調査員として勤務していた時期があります。
興信所調査員・・・つまり探偵ですね。

探偵と言うと、故松田優作氏が主演した「探偵物語」等を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
金田一耕介や明智小五郎、人によっては金田一一や名探偵コナン?
このブログを読んでる人ならお分かりでしょうが
アメリカの探偵ならともかく、日本の探偵は刑事事件は取り扱いません。
いや、関与できません(笑)

今日は、その探偵時代に私が担当した思い出深い一件のお話し。
探偵を辞めた今でも、守秘義務がありますから
詳細な日時、場所などはご勘弁ください。

あれはまだ、私が調査員として勤務してまだ間もない頃
一件の依頼が、私が勤務していた興信所の福岡事務所に寄せられました。
その依頼内容を確認した後、本部からたまたま(しょっちゅう来てましたが)来ていた
部長(ベテランの探偵、この人の調査テクニックに何度驚かされた事か・・・)が一言。
「度胸付けに○○(私の名前)にやらせたらよか」
そして依頼書は私のデスクへ・・・
仕事の内容に笑ったのと同時に、軽くビビった。
「・・・俺がやるんすか?」

さて、その依頼とは?

それは九州某県に在住の中年女性(独身)から寄せられた依頼

ある日、仕事を終えてから退社。会社の駐車場に停めている自分の車へ向かった。
自分の車に乗り込もうと、運転席のドアにキーを差し込み開錠。
ノブ(でいいんんだっけ?)を引いた時に、異様な感触に気付く。
ノブには白くドロリとした液体が付着していた。
辺りは暗くなっていて、それが何かは分からない。
「誰かが悪戯で痰でも吐いたんだろう」
と不愉快になりながらもティッシュで手を拭き、その日はそのまま帰宅。
しかし、翌日も、またその翌日も・・・連日全く同じ悪戯が続いた。
彼女は社長に相談した(ココが不思議と言えば不思議。いくら小さな工場とはいえ相談相手がいきなり社長?)
彼女の退社時に付き添い、社長がその液体を確認した。
数日前からその液体はノブだけではなく、ドアガラスやフロントガラスにも
人の手でなすりつけられている。
社長が一言
「精液だね、こりゃぁ・・・」

「普通、このぐらいの年齢の女性なら精液か痰かぐらい分かるんじゃないですかね?」
依頼書を読みながら、私が依頼者と顔を合わせた所長(女性。営業専門)に訊いてみた。
「私もそう思うんだけど、その人男性と付き合ったことも無いらしいのよね。
多分、男性経験もないんじゃないかなぁ」
「へぇ・・・」
相槌を打つ私に部長が言った。
「で、○○。お前、コイツばつかまえろ」
「は?証拠写真を撮るだけじゃ駄目なんですか?」
「それでもよかとばってん、度胸ばつけるとにちょうどよかけんさ」
「・・・俺がやるんすか?」
再度確認する私。
「そがんたい」
微笑む部長
「誰か近くにいてくれますよね?」
確認する私
「他のモンは、他の仕事があろうもん」
笑う部長
「ですよねぇ」
予想通りの答えに納得する私。

依頼書には「コイツが怪しい」
と依頼者が疑っている人物の名前と、彼(A氏とします)の情報が記されている。
彼は依頼者と同じ工場で働いている男性。

で、調査前日、現地入りした私は「内偵」と呼ぶ下調べを開始。
先ずは問題の駐車場、依頼者の車、そしてA氏の自宅と車。
そうしたポイントの確認をした後、自由時間となるが私は夜に備えて仮眠をとった。

その晩遅く(正確には翌日早朝)私はA氏の自宅に向かった。
調査の為にある下準備を施すためである。
詳しい内容は言えません。今でもこの方法は使われてますから
現役の探偵サンたちに恨まれたくありませんからね。
ちなみにこの下準備、結構緊張します。
下準備を終えて、私は昼の間に見つけておいた仮眠ポイントへ。
(私が所属していた興信所は、3日の内1日くらいはホテルに泊まってもOK。残り2日は車中泊)
仕事自体は辺りが暗くなってからが本番。
その日はグッスリと睡眠をとりました。
さぁ!いよいよ本番!!


続きは【続き】で隠します^^


Read more...
Edit / 2008.05.13 / Comment: 2 / TrackBack: 0 / PageTop↑
秋の夜長に・・・・・
カテゴリ: 探偵物語
こんなスレ(まとめ)を発見しました。

妻の浮気に気付き、探偵を雇い証拠を固め、妻が自宅マンションに間男を連れ込んでいる最中に凸した旦那の話です。

さぁ、皆さん、読んでみたくなったでしょう?

どうぞリンク先から飛んで読んでみてください。

俺がかつて撮影した証拠写真や、作成した調査報告書もこういう風につかわれたんだろうなぁと「ふっ」と考えました。

探偵になったとき、色々嫌味なことを言われたこともあったんですよ。
「人の粗を探る仕事だね」
とか色々ね。

たしかに報告書を仕上げた時に
『この報告書で一人の人間の人生を狂わせちゃうんだろうなぁ』
とか考えた事も一度や二度ではないです。
でもね、社長や主任に言われた言葉で奮い立たせる事ができました。

「俺達にとっては依頼人が正義なんだよ。
誰にも相談できずにずっと悩んで、その結果俺達に依頼してくれたんだ。
俺達で助けてやろうや。相手が浮気してなければ依頼人は安心するし、相手が浮気してれば、人生をやり直すきっかけになるかもしれない。
依頼人を楽にしてやろう」

このまとめを読んで、俺の写真や報告書が依頼人の人生に役立ってくれてればいいなぁ・・・と思いました。


え?
前置きが長い?

失礼しました。
それではどうぞ、御覧下さい。

「秋の夜長に、私の、元嫁との離婚修羅場話をダラダラ書きます」


Edit / 2007.11.15 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
家出人捜索よもやま話
カテゴリ: 探偵物語
めっちゃ久しぶりなカテゴリ「探偵物語」記事です。

昔からの読者さんなら御存知ですが、私、昔探偵やってました。
結構大手の興信所に所属して、日々調査に励んでいた頃のお話。

興信所に寄せられる、調査依頼のほとんどはいわゆる“素行調査”。
俗に言う“浮気調査”も、この中に入ります。
次に多いのが“家出人調査”
そして近年増えてきたのが“ストーカー対策”と“盗聴器探査”。

今回のお話は、表題の通り“家出人調査”について。

以前の記事でも書いた覚えがあるのですが、興信所が“家出人調査”を引き受ける(受件と言う)のは、家出人の親族からの依頼のみに限定されます。
親族以外からの依頼を受件すると、犯罪が絡んでくる可能性もあるからなのです。

かく言う私も、家出した20代女性を見つけ出し家族の下に帰した経験が有ります。
興味のある方は以下の記事を読んでいただければ
・家出娘を探せ!!
・家出娘を探せ!!2
・家出娘を探せ!!3(完結編)

私が所属した興信所の社長は、かつて“名探偵”としてTV番組「ドシロウト」に出演した経験を持つ、ホントに名探偵なんですが・・・
その社長曰く
「家出した人は、大体10日もせん内に帰ってくっとよ」(家出した人は大体10日もしないうちに帰ってくるんだよ)
コレ、ホントそうみたい。
まぁ、そうは言っても受件した以上、何もしないわけにはいかない。

本人の居住地などの内偵は勿論だが、まずは本人の顔写真や身体的特徴などを記したビラを作成する。
「ベタ」だが、これが実に効果的な手段でもある。
そして本人と親交がある人物も調査する。
その手段には違法行為も含まれているのでココでは秘す事にします。
どうしても知りたい方はメールででもご連絡下さいw

本人が自分の意思で戻ってきたり、私達が発見したりというパターンはもちろんあるんですが、意外な形で見つかったりすることもある。

私が入社する前に実際にあった話なのですが・・・・

家出人の妻の依頼で受件した数日後、妻からの電話が事務所に入った。
「主人が見つかりましたので、調査は打ち切っていただいて結構です」
実はその時、まだ何の情報も得られておらず、失踪後まもない発見であったので所長が訊いた。
「戻られたんですね、それは良かったです。で?どちらにいらっしゃったんですか?」
「○○ダムで遺体で発見されたんです。警察の話では多分自殺だろうとの事です。どうもありがとうございました」
「・・・・・・・」
まぁありそうな話だが(つーかホントにあったんだけど)さすがに所長も絶句したらしい。

嘘みたいな話だが、こんな本当の話もある。
ある日、我が福岡事務所に、岡山事務所の調査課長がやってきた。
「今、どんな調査やってるの?」
で、これこれこんなと福岡の調査主任が説明する。
浮気調査もあったり、数件の家出人調査もあった。
その家出人調査の中に、昨日100万円超えの調査費で請け負った依頼もあった。
で、課長はその後岡山に帰る前に『博多でパチンコでも』と思い、パチンコ屋にふらふらと入ったそうな。
その課長から主任宛に電話で連絡が入った。
「おい、さっき見せてくれた家出人の写真持ってココに来い」
「どうしたんですか急に」
「そいつ俺の横で打ってるw」
「ええっ!?」
「間違いないと思う。動き出したら俺がつける(尾行する)からとにかく来い」
果たして「そいつ」は家出人そのものだった。
あまりに早い発見に依頼人もビックリ。
「調査費いくらか返してくれ」
まぁ、気持ちは大いに分かるがそういうワケにはいかない。
「いや、それはできません」
と所長。

その他にも高校生のカップルが駆け落ち同然で家出して、草津の温泉旅館で住み込みの従業員として働いているのを発見したりと、色んな話があるんですが・・・。
次回の投稿で、私も関わった男子高校生の家出事件を紹介したいと思います。


Edit / 2007.08.13 / Comment: 5 / TrackBack: 0 / PageTop↑
怖かった事
カテゴリ: 探偵物語
妙に怖かった事。

探偵時代、ある失敗をやりました。
尾行がバレて、最終的に警察官に警察署に連行されました。
ボディーチェックを受けた後、取調室に連れて行かれました。

何故か、壁に結構な量の血痕がありました。

拭いた後も無く、意識的にそのままに残されているようでした。

「吐け!ゴルァァァアアアア!!!!!」

と壁に頭をガンガンされるのかと、心配はしませんでした。

最終的には無罪放免の上、調査相手が叱られてました。

「調べられるような事しとる、あんたが悪い!!」

聞こえました。
笑いましたw

それだけです。


Edit / 2007.03.18 / Comment: 0 / TrackBack: 2 / PageTop↑
続・冬の思い出3
カテゴリ: 探偵物語
前回の記事「続・冬の思い出2」の続きです。

前回の記事の後半で書いたように、私は別件の調査の為に福岡から離れなければならず、この調査をM主任に引き継ぎました。
今回の記事は、私ではなくM主任の調査内容です。


私から本件の調査を引き継いだM主任。
その日は朝から、被調査人(以後、本人と称す)が入っていったと思しきアパートの前で張り込み開始。
この日は日曜日で、本人も仕事はお休み。
このアパートに入っていったのかどうかは確認が取れていない為、周囲の道路にも注意しつつの張り込み。

しかしながら、主任には「このアパート」という自信があった。
このアパートの各世帯のドアには、既に「仕掛け」を施してある。
ドアが開けば一目瞭然の仕掛けである。

やがて9時頃、アパートから本人が若い女性と連れ立って歩いて出てきた。
怪しまれないように注意しながら、アパート内に一度入り「仕掛け」を確認。二人が出てきた部屋も特定できたので、尾行を開始。

この二人、この後は近くにある遊園地で二人きりのデートだった。
二人のデートは、主任のカメラの中にどんどん納まっていく。

この相手女性の部屋が割れたので、後は早い。

どういう調査方法を使うのか知りたい人は多いだろうが、ここでその方法を書き込むわけにはいかない。
ともかく、相手女性の名前、年齢、生年月日、出身地、家族構成、電話番号、勤務先(彼女は本人と同じ会社に勤務していた)・・・
調査の結果判明した女性の情報と、この日の遊園地デートの内容、そしてその証拠写真。
いわゆる調査報告書をまとめて、依頼者の元に営業が向かった。


「数日前に夫(本人)から連絡があったんです」
と依頼者。
それによると・・・・
「最近、彼女(相手女性)とうまくいってないんだ。喧嘩も絶えないし、近々そっちに帰るから」
と言っていたらしい。

しかし、調査報告書の内容・・・それにもまして、証拠写真に写る本人の満面の笑顔・・・。
一時は夫の言葉を信じたのだろう。しかし真実は残酷だったかもしれない。

「もういいです。ふんぎりがつきました。夫は彼女にあげます」
と依頼者。
その隣の部屋ではまだ幼い二人の子供が、仲良く昨晩の夕食の残りのカレーを美味しそうに、仲良く食べていたそうな。
(個人的に・・・当時、この光景を伝え聞いた私は、かなり切なくなったのを今でも覚えている)
「まだ若いんだし、頑張って出直してね」
そんな言葉しか、営業もかける事が出来なかった。


「まぁ、あれだけの美人だし、すぐにいい男が見つかるわよ」
と営業。
「なんなら俺が、あの母子3人とも面倒見る」
と私。
「あんた、給料安いから無理(笑)」

そうね。わかっちゃいたけどね。
他人から言われると、ちょっとムカつくね。

あの母子3人、幸せに暮らしてるといいなぁ。


Edit / 2007.01.26 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
続・冬の思い出2
カテゴリ: 探偵物語
カテゴリ“探偵物語”の前回の記事「続・冬の思い出」の続きです。

前回ラスト部分・・・
「本人来ました」

自宅のドアノブにかかった紙袋を取る。
エレベーターに移動する途中、何か読んでいるように立ち止まり下を向いている。
依頼者が手紙を書いていたようだ。
本人が再び歩き出し、車に乗り込んだ。
同僚にでも頼んだのか、車には他に3人ほど乗っている。
本人は助手席。
車のナンバーをメモしたりしつつ尾行続行。



本人が乗車したのは、どうやら会社の仲間が運転する車らしい。
車はやがて博多駅前で停車。
本人のみが降車し、車はそのまま走り出した。
私もH先輩の車から降りて、本人の尾行を開始・・・・

『あらら!!』
本人はJRに乗り換える為に車から降りたのではなかった。
タクシー乗り場に向かうでもなく、たまたま走ってきた空車のタクシーを捕まえ乗車し、走り去っていく。
慌てる私。
ソレというのも、こういう事態に備え待機しているべきH先輩(しかも前もって打ち合わせで、そう確認していた)が油断しきって、車から降り自販機で缶コーヒー等購入していた。
運が悪い事にタクシーも捕まらなかった。

事態にやっと気付いたH先輩が到着した時には、既に本人を乗せたタクシーは遠く過ぎ去った後だった。

「何やってるんですか!!ちゃんと後ろにいる手筈になってたでしょう!」
つい感情的になってしまった私に、H先輩もただ謝るしかなかった。

「すみません、失尾しました」
失尾とは、調査対象を見失う事=尾行失敗である。
そうM主任に報告せざるを得なかった。

「尾行失敗」の報は、営業から依頼人にも伝えられた。
改めて調査をする事を依頼人に伝え、その日の調査は終了した。


二日後、今度はM主任と組んだ。
本人の勤務先である「○○○○○貿易」のビル出口から尾行開始。
この日もとんでもなく寒かったが、前回とは違い、今回は本人の顔も身体的特徴も解っている。寒いが気は楽だった。

やがて終業時間となったらしく、ビルから大勢の社員が出てくる。
その中に本人もいた。一人で歩いている。
私とM主任の尾行開始。
一緒に尾行はしているが、私とM主任は一緒に連れ立って歩いてはいない。
距離をおき、いざという時にはすぐに交代できるように、無関係を装っている。
どうやら、本人が同棲中の彼女宅は近い様だ。
JRも、バスも、タクシーも使う様子が無い。ただ黙々と歩いている。

やがて本人は、住宅地にと入っていく。
辺りは既に暗くなっており、街灯だけが頼りとなった。
本人に気付かれないように距離を開け、見失わないように、離れすぎないように、微妙な距離を保ちつつ尾行を続ける。
時には道路右側を、時には左側を歩く。
怪しまれないように、小道具としてコンビニ袋を手にした。
(付近の住人だと思ってくれる、便利な小道具)
本人は尾行に全く気付いていない。後ろも振り返らず、まっすぐに歩いている。

やがて本人が、曲がり角を曲がった。
一瞬視界から本人が消える。
私も、M主任も足音を立てない程度に小走りで、スピードを上げる。
同じ角を曲がる。

いなかった。

一瞬「バレたか!」と思ったが、そんな筈は無い。
私もM主任も、曲がり角すぐ横に入り口が有る一軒の2階建てアパートに視線が釘付けになっていた。
「ここですかね」
私の言葉(小声)に主任がうなづきつつ答えた。
「多分そうやろうと思う・・・」

しかし、それは単なる推測でしかなかった。
2階建てのアパートは6部屋程度。
間違いなくココなのか。そしてココであるならどの部屋なのか。
依頼者に報告するなら、その裏づけが必要だった。

2度目の調査も、惜しいところで結果を出す事が出来なかった。

私は残念ながら、翌日から別件の調査が入っていた。
この調査はM主任に引継ぎ、私はこの調査から一旦、手を引く事になった。


以下、次回に続く。


Edit / 2007.01.15 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
続・冬の思い出
カテゴリ: 探偵物語
前回の「冬の思い出」は、冬の張り込みの辛さを綴ったもの。

今回の投稿はその記事で触れた、「事件」のお話。

上記の記事でも触れたように、被調査人はオ○○○○貿易に勤める会社員。
なかなか有能らしく、営業成績も上々で係長だか課長だかに若くしてなっていたと記憶している。

最初の調査は記事にも書いたように失敗(つーか、誰があの条件で成功できる?)
後日、営業の人間と依頼人宅へ行き、依頼者(被調査人の妻)と会い直接状況を聴く事になった。

当日、営業の人間と依頼者卓へ。
コレって実は異例な事。
調査員と依頼人が顔を合わせる事はまず無い。

で、依頼者に会う・・・・


すげぇ美人

俺が大好きな仲間由紀恵。
この二人を目の前にしたとして「さぁどっち?」と言われたら・・・
正直迷う。さんざん迷う。
それほどの美人。
現在でも、今までリアルで会った美人度はぶっちぎりのトップ。
その美人さんがなんとショートパンツ姿。スラリと長く綺麗な生脚。
『寒くない?』
そう思いつつも、脚フェチの私は
『やった!ラッキー!!』
状態。これほどの美人の生美脚にお目にかかれるなんてまず無い。

依頼者と被調査人(以後、Aと称す)の間には二人の子供がいる。
幼稚園児の長女(母似でめっちゃ可愛い)と入園前の長男。
この二人の子供も家にいた。

「ママに似て美人だねー」
と長女に言うと
「ママ似じゃないもん!パパ似だもん!!」
余計な事言わなきゃ良かった。
ママすげぇ切なそうな顔してる。自分の軽口を激しく後悔。

子供達は同じ部屋でジュースとおやつを食べている。
小さくて話の内容は分らないだろうけれど、子供に聞かせる話ではないな・・・そうは思ったが依頼者が話を始めた。


「突然、彼女が出来たと聞かされました」
と依頼人。内心驚く私。正直なヤツだ。

話によると・・・
本人は既に3日程前から“彼女”の家で寝泊りしていると言う。
「しばらく帰ってこないから」
と言い残し家を出たそうだ。その本人から今日電話が有り・・・
「着替えを取りに帰ってくるから紙袋にでも入れて夕方にドアノブにでも引っ掛けておいてくれ」
との事。
依頼の内容はこう。

本人を尾行して、現在寝泊りしている“彼女”の住所を突き止めて欲しい。

簡単な仕事の筈だった。
依頼は成立。
依頼者から本人の写真を預かり、依頼社宅を出る。

事務所に戻り作戦会議。
当日、調査が入っておらず待機状態だった先輩調査員Hさんと協力しあう事になった。

夕方も迫り、Hさんの車で依頼者宅に移動。
依頼者の自宅はマンションで、3階にある。
マンションの向かい側は空き地で、マンション全てが見渡せた。絶好の張り込み場所である。そこに二人で張り込む。
まずは入り口からマンション内に入っていく人間全てをチェック。
本人が取りに来るとは限らない。女性も含めた全ての人間が監視対象。

やがて依頼社宅のドアが開くのを確認。
本人の頼み通りに、紙袋をドアノブにかけたようだ。

それからしばらくして、一台の車が入り口付近に停まった。
中から出てきた一人の男がエレベーターに乗り、3階で降りた。
望遠レンズをつけたカメラで確認する。

「本人来ました」

自宅のドアノブにかかった紙袋を取る。
エレベーターに移動する途中、何か読んでいるように立ち止まり下を向いている。
依頼者が手紙を書いていたようだ。
本人が再び歩き出し、車に乗り込んだ。
同僚にでも頼んだのか、車には他に3人ほど乗っている。
本人は助手席。
車のナンバーをメモしたりしつつ尾行続行。


以下、次回に続く。


Edit / 2006.12.07 / Comment: 0 / TrackBack: 0 / PageTop↑
探偵裏話
カテゴリ: 探偵物語
2度続けての「探偵物語」です。

今日はいつものような、実際に行なった調査内容の紹介ではなく、依頼の“受件”〜実際の調査〜終了までの流れに触れてみたいと思います。

私が所属した興信所の福岡事務所を例にとりますと・・・・
私達調査員が詰める「調査事務所」と、依頼者と会い“商談”する「営業事務所」とに分かれています。
二つの事務所は、同じビル内にありますが、フロアが別になっています。
これは、依頼者と調査員が顔を合わせないようにする事と、調査員と営業の馴れ合いを防ぐ為のもの。

営業事務所には依頼者が来た時の為の応接セット、六法全書、電話、コピー、FAXがあります。
一方、調査事務所には・・・・
電話、コピー、FAX、調査報告書作成の為のワープロ(調査員の人数分)、九州と山口県全域のタウンページおよびハローページ、ゼンリンの住宅地図があります。

依頼人はほぼ、まずは電話で相談してきます。
電話を受けた営業(女性)は、相談者の住む地域(もちろん他県もあり)まで行き、最寄のホテルのロビー等で面会し、相談内容を伺います(もちろん、この段階では無料)
正式に依頼となった段階で調査費用、調査日などの話に入ります。

皆さんの最も興味があるであろう調査費用・・・・
まぁ薄々お気付きでしょうが、たしかに御世辞にも「安い!」とは言えません。
一番多い浮気調査の場合・・・
例えば被調査人が車を使って移動するケースは、比較的調査もしやすいケースなんですが・・・
それでも一日、約15万円。『約』と表現したのには訳がある。
実はこの業界『定価』がない。
交渉次第で安くもなりますので、依頼の際は頑張って交渉してください(苦笑)
そしてこの金額は「必要経費」も含んでます。
写真、燃料代、調査員の宿泊費も全て含みます。
極端に言えば、調査員が使用したガソリン代が15万円を超えたとしても追加料金を請求する事はありません。
又、調査員が尾行に失敗したときなども、後日、改めて依頼者から指定された日に再調査を無料で実施。
被調査人の浮気が確認されようがされまいが、無事に調査をやりとげるまでこの金額で調査します。

そして例えば1週間の調査でも、15万円×7日・・・ではなく、50万円だったり150万だったりもするのです。

さて、そうした依頼を受けた営業は「調査依頼書」を正式に書き起こし
、調査事務所に廻します(依頼書には依頼金額は記されてません。金額によって調査員が“差別”しないようにする為です)
調査責任者のM主任が、その受件地域によって担当を振り分けます(もちろん適正も見るのですが)
依頼書を受け取った調査員は、まずは被調査人の住所や勤務先周辺の地図を住宅地図から探し、コピー。
続いて顔写真や身体的特徴、使用車両の確認と同時に記憶するよう努めます。
そして必要な調査機材の準備。(詳細は書けません。悪しからず)

基本的に、調査日前日に「現場」へ行き、住居・勤務先などの現地確認と、張り込み場所の選定をします。

調査中の出来事は、今までの記事・・・
やまさんのお気楽日記 カテゴリ「探偵物語」
やまさんのお気楽雑記帳 カテゴリ「探偵物語」
を御覧頂くとして・・・・

無事調査を終えると、事務所に戻ると必要経費の精算。
そして証拠写真の現像(最寄の写真屋に依頼)と並行して、調査報告書の作成。

完成した報告書は営業に廻り、営業から依頼者に手渡し、もしくは郵送されてようやく一件落着となります。

次回からは普通の「探偵物語」に戻しますね。


Edit / 2006.12.01 / Comment: 2 / TrackBack: 0 / PageTop↑
冬の思い出
カテゴリ: 探偵物語
どんどん寒さが増していきますね。
皆様、風邪などひいてませんか?

さて、私が探偵をやっていたのは、もう皆様ご存知でしょう?

その頃嫌いだったのは夏です。
ホント夏の張り込みは大変でした。
エンジンを切り、当然クーラーも消し・・・
そんなサウナ以上の車内での張り込みは、ある意味命がけでした。

しかし冬は冬で大変。
車内の張り込みはそう苦になりません。
着込めばいいし、足元は毛布でもかけておけば大丈夫。
しかし、屋外での張り込みだとそうはいかない。

ある冬の日・・・その日は風も強く、気温もその冬で1,2を争うくらいの冷え込みを記録した日。
その日は珍しく調査が入っておらず、全調査員3人が事務所に詰めてました。
調査報告書を作成する者。
次の調査に備え、住宅地図をコピーしたり準備にいそしむ者。
それぞれが談笑しながら、それぞれの時間を過ごしてました。

そこに“営業”から一本の電話が入る。
一件仕事が入ったという。それも今からすぐに。
“現場”はすぐ近くだった。
仕事の内容は“浮気調査”で、仕事を終えて勤務先から出てくる男を尾行し、その行き先(女と暮らしている住居)を確認する事。
白羽の矢が当たったのは私。
なにしろこの寒さ。誰も行きたがらない。
となれば一番下っ端の私が行くのは至極当然の流れ。

苦笑いしつつ立ち上がる私。
「で、そいつの写真は?」
と主任に訊く。
「無いらしか」(無いらしい)
「は?」
「無いんだって(笑)」
「いや、笑い事じゃないでしょ?それともその会社、そいつ一人だけなんですか?」
「いやオ○○○○貿易だって」
「めちゃくちゃ多いじゃないですか!!」
「多いね」
「どうやって探すんです!?」
「身長が165センチで痩せ型らしい」
「そんなの掃いて捨てるくらいいるでしょ!」

何を言っても無駄だった。
その40分後には、私は件の会社の玄関前にいた。

とにかく寒い。
冷たくて強い風邪のせいで、息すら出来ない時がある。
案の定、条件に合うヤツがうじゃうじゃ出てくる。

分るわけねぇだろ!

いつまでも突っ立ってたってこの仕事終わらない。
なんの根拠も無く一人の男に目をつけ、尾行することにした。
とにかく動きたかったのである。

20分ほどつけまわした頃、主任から電話が入る。
「どがんね」(どう?)
「どがんもこがんも無いですよ。分るわけないでしょ?とりあえず今一人尾行中ですけど」
不機嫌さを隠すつもりもなくストレートにぶつける。
「まぁそうよね。とりあえずやったっていう事実が欲しかっただけやけんが。もうよかよ、戻ってきんしゃい」

事務所に戻って、営業事務所に行き(調査事務所とは同じビル内にはあるが別室)猛抗議したのは言うまでも無い。

まぁ後日、この一件に関しては主任と協力して無事解決しました。
もちろんその時は写真を依頼者より預かってですが。
実はこの依頼、切ないエピソードがありまして・・・
また後日、記事にしたいと思います。


Edit / 2006.11.30 / Comment: 5 / TrackBack: 0 / PageTop↑
不倫の相手は・・・3(最終回)
カテゴリ: 探偵物語
不倫の相手は・・・2の続き。

懇親会当日の深夜。
2日間行動を共にしたH先輩と別れ、調査最終日を迎えた。
最終日の今日は、俺一人での行動となる。

朝7時に起床。
お決まりの車中泊だった。
B男が宿泊しているホテルの、入り口が見える場所に移動して張り込み開始。
この場所からはB男の使用車両も見える。
張り込みには絶好のポイント。
コンビニで買った、おにぎりとお茶で車内での朝食を摂りつつB男を待つ。

9時過ぎにようやくB男が出てくる。
一人だ。
車に乗り込み、駐車場を出て行く。
頭の中でゆっくり数を数える。
“1・2・3・4”
ゆっくりと車を出し、尾行開始。

予測はしていたがB男の車は、自宅があるS市とは逆の方向に向かっている。
10分程走った後、彼が車を停めた場所。
そこは昨日、彼が謎の女(居酒屋の女)と接触した喫茶店の駐車場。
“あの女がお相手か?”
昨日確認した、居酒屋女の車が停まっているか軽めに確認したが無さそうだ。
B男は既に店内。
一人でテーブルに座りタバコをふかしている。
しかし、腕時計を気にしている様子から誰かを待っているのは、ほぼ間違いない。

ほどなくして、一人の女がB男のテーブルに座った。
しかし、こちら側に背を向けている為、顔の確認が出来ない。
顔を確認したいが我慢する。
無理をして、ここで調査がバレては苦労が水の泡である。
現時点で報告書に書ける事、そして証拠写真は「二人の女と接触して一緒に食事した」という事だけだ。
少し待てば、二人は食事を済ませ出てくる。
そこでまずは一枚写真を撮ればいい。
店内の写真は既に数枚撮影済み。
証拠写真が少しづつだが確実に貯まっていく。

1時間後、二人が出てきた。
私は目が悪いので肉眼ではよく見えない。
撮影がてら、カメラの望遠レンズ越しに二人を確認する。

“A子じゃん!!”

ファインダーの中に現れたのは間違いなくA子だった
依頼者が最初に名前をあげ、その後自らが可能性を否定したA子だった。

A子は自分の車でやってきていた。
一度自分の車に戻り、車内からバッグを取り出してB男の助手席に。
その瞬間もシャッターを押し続ける。

ここからが探偵の勝負時。気張れ俺。

自らを鼓舞し、慎重且つ大胆に尾行再開。

そして車は・・・
5分ほど走った後、Y市内にある川沿いのラブホテルに入った。
二人が部屋に入る頃を見計らって、俺自身も敷地内に。
ホテル駐車場に停まっている証拠写真を撮影する。
ホテルの一部やナンバー隠しの小道具をファインダーに収め、ナンバーが写るようにまた撮影。
言い逃れが出来ないように、確実に「証拠写真」を収めていく。

次に撮影すべきは、二人がホテルから出てくる写真。
川の反対側に移動し、ホテル出入り口が監視できる場所に移る。
場所も状況もこれ以上は望めない。
これで失敗すれば言い訳は出来ない。

「休憩時間」も終わる頃、車に動きがあった。
カメラを構える。
シャッターを押し続け連写する。
ファインダーに映り続ける車。
当然、車内の二人の様子もバッチリ写っている。
そして、絶対に言い逃れが出来ない写真が撮れた。

入り口横のホテルの看板、ナンバーがハッキリと写ったB男の車、それを笑顔で運転するB男と、その助手席に座っているA子。

その全てが一枚の写真に収められた。
100枚の調査報告書より、このたった一枚の写真の方がはるかに効果的なのは言うまでもない。
仮に調査報告書に間違いが多かろうが、この写真一枚だけでその報告書の内容が「真実」となってしまう位に効果がある。

この後、車は喫茶店に戻りA子は自分の車で自宅に戻った。
その途中、二人とも運転しながら携帯電話を使用していた。
切るタイミングも一緒だった事から、二人が話していたのであろう。
別れ際、二人は車内からそれぞれに向かって手を振り「バイバイ」していた。

A子の帰宅を確認後、既に遠く離れたB男を追う。
どこにも寄らなかったのか、車は自宅駐車場に駐車していた。


私はそのまま、調査事務所に戻り調査報告書を作成する。
写真も申し分ないほど鮮明に写っていた。
M主任にも、所長にも褒められた。

そこで所長に知らされたのだが・・・

実はA子の夫も、B男同様にY県の県庁職員

だった。


つまり、B男は同僚の妻と関係していた事になる。
男の風上にも置けないヤツ
男も許せないが、女もアホだ。

翌日、所長から写真付きの報告書を受け取った依頼者の怒りたるや凄まじかったらしい。

「この二人を別れさせてください!」


新たな依頼が発生した。
素行調査から「工作」に発展したのである。
「別れさせ屋に頼むまでなかろう」
と、社長(凄腕の探偵)自らが乗り出した。
手紙作戦だった。
写真数枚と、嫌味ったらしい告発の手紙が2通。
B男の勤務先である県庁の某部署、そしてA子の夫宛て。
B男は手紙を受け取った上司から呼び出されたのであろう。
帰宅するなり妻に
「お前がやらせたんだろう!!」
と烈火の如く怒鳴り散らしたという。
その気持ちも分からないではないけれど、全ては自分の蒔いた種。
自業自得である。


この仕事の大成功で、しばらく私は鼻高々でした


余談ですがこの時の写真。
証拠写真の見本として今も、興信所のアルバムに納められ後輩探偵達の教育と、依頼の相談にくる客に「こんな写真を撮りますよ」と営業に役立っているらしいです。

Edit / 2006.10.07 / Comment: 6 / TrackBack: 0 / PageTop↑
不倫の相手は・・・2
カテゴリ: 探偵物語
「不倫の相手は・・・1」の続き

A子の写真を撮影し、依頼者に報告書と共に送った。
意外な反応が返ってきた。
「どうもこの人じゃないみたい・・・」

と、なると0からの調査となる。
依頼者の話では・・・
依頼人の夫であるB男はY県の県庁職員。Y県S市の支所にて勤務しているのだが、近々Y市内のY温泉にて県庁職員の懇親会が催され、それに泊りがけで出席すると言う。
「多分、相手の女と会うはずです」
と依頼者。
懇親会自体は間違いなく行なわれるとの事だが、懇親会当日の開催前と、その翌日には女に会うチャンスがある筈だと依頼者。
我々も全くの同意見。

実を言うと・・・。
このY市のY温泉、この私自身が働き、且つ住んでいた場所。
土地勘はバッチリ。
元々Y県は、自分の調査担当地域でもあり、かつての居住区でもあるという事で私、そしてもう一人、先輩調査員のHさんの二人で調査に就いた。

そして迎えた調査の日。
前日の深夜にB男の住居に移動を済ませ、調査器具を仕掛けておいた。
懇親会当日、ずいぶん早いB男のお出かけを確認。
彼は、自分の車に乗り込み一路Y市へ。
こんなつまらない所でバレては意味が無い。
無理せず、ゆったりと尾行開始。

懇親会には早すぎる時間にY温泉に到着。
が・・・
車はそのままY温泉を通過。
「何かある!」
俄然、色めき立つ我等調査員2名。(車は2台)

B男の車が、Y市の外れにある喫茶店の駐車場に入る。
当然、我々もその後に続く。

店内でB男と女性の接触を確認。
コイツが浮気の相手?
写真を撮りながらファインダー内の女性の顔を確認する。
たしかにA子とは別人だった。
店内で続く二人の談笑。
その間、写真を取りつつ調査員2名は作戦会議。
今後の動き、二人の役割分担を確認しあう。

1時間ほど話した後、二人が店外に出てくる。
それぞれが自分の車に戻る。
なんと予想外の動きだった。
二人は全く別々の方向に!
Hさんが女の後を追う。ならば、と私はB男を追ったがすかさずHさんから電話が入る。
「やまさん、違う違う!こんな時は女を追わなきゃ!!」
“何も二人で追わなくても・・・”
と思ったが、先輩の言葉には逆らえない。
Uターンし、遠ざかるB男の車をバックミラーで確認しつつ、女を二人がかりで追う。

女が近くのスーパーマーケットに入る。
買い物の内容を確認するため、尾行開始。
豆腐やもやし、卵など多量の食材を購入した後、女が車に戻る。
買い物を済ませた女が向かった先は小さな居酒屋だった。
鍵を開けて店内に入る。どうやらココは女の店らしい。
看板に記載してある営業開始時間まで、そう余裕は無い。
仕込みの時間を考えれば、これ以上のB男との接触は無い。

慌ててB男を追う。
“ほれみろ、二手に分かれてた方が良かったじゃん”
そう思いながらB男を捜す。
B男の車をY温泉内のビジネスホテルの駐車場で発見。
このホテルは本日のB男の宿。
車内には既にB男の姿は無い。

部屋にいるのならいいが、女と接触している可能性もある。
“確認するしかないよねぇ”
意を決した私。
こんな事もあろうかと、二人ともスーツを着ている。
こういう聞き込みはHさんよりも私の方が得意。
軽くビビってるHさんを従え、フロントに向かう。
周囲に人がいないのを確認したあと、フロントに尋ねる。

私 「すみません、県庁のモンですが○○さん(B男の苗字)
  は出かけとってですか(出かけてますか)」
フロント「○○様ですか?えーと・・・」
私 「○○B男さん」
フロント「○○B男様ですね、鍵はお預かりしておりませんから
  お部屋にいらっしゃるかと思います」
私 「誰か迎えに来た?」
フロント「いえ、どなたも尋ねて来られてはいらっしゃいません」
私 「はは・・・みんなのんびりしてるなぁ・・・まぁいいか
  まだ時間あるし。俺らだけでコーヒーでも飲みに行くか」
H 「そうやね、そうしようか」

B男はまだ部屋にいて、誰との接触も無い。
それを確認してまずは一安心。
そそくさとホテルの外に出る。

「やまさん凄いわ。俺、あんなことできん」
とHさん。
「あの聞き方ならフロントは絶対に答えますから」
と俺。

そしてその後、懇親会開始時間前にB男が同僚達と出てきた。
全員が懇親会会場である近くの旅館に移動している。
そして懇親会スタート。
少なくとも懇親会終了までは動きは無い。
念の為、玄関の監視をしつつ缶コーヒーでのコーヒーブレイク。

実はここから、私の元勤務先とは目と鼻の先。
顔見知りの元同僚が通りがかり旧交を温めるw。

結局この日、B男はまっすぐホテルに戻った。

ガッカリしつつ、我々もこの日の捜査をその深夜に終了。
Y市名物の「バリそば」を食べて、車中泊の筈だったのだが・・・。
食事後にHさんの携帯が鳴り、急遽、同じくY県内の調査に入る事となった。
翌日の調査は私一人で行なう事になる。
手応えは感じていた。

B男は明日、必ず女と接触する

そしてその予感は的中した!

以下、最終回に つ・づ・く
Edit / 2006.10.05 / Comment: 4 / TrackBack: 0 / PageTop↑
不倫の相手は・・・1
カテゴリ: 探偵物語
久しぶりの「探偵物語」です。
今日はブログ1周年って事で、とっておきのお話。

ある初夏の日、M主任から簡単な仕事をおおせつかった。

「Y県Y市の某病院に勤務しているA子(40代女性)の顔写真を撮ってきて」

依頼の内容はこうだ。
「最近、ウチの主人(B男とする)が浮気しているようだ。相手はどうやらA子という○○病院に勤めている女らしいが、証拠は無い。どうにかして別れさせて欲しい」

ずいぶん前に、奥菜恵主演のドラマで「別れさせ屋」と言うのがあった。
実は、この「別れさせ屋」は実在する。
もちろん、看板やCMを出して商売しているワケではない。
私が知る限り、興信所の下請けのような形で彼らは存在している。
つまりこういう事。
興信所が調査対象の浮気等の交際の証拠を掴む
    ↓
依頼人が「別れさせてくれ」と“新たな”依頼をする(つまり別料金)
    ↓
興信所がマージン(仲介料)を依頼金から差し引き「別れさせ屋」に依頼
    ↓ 
受件した別れさせ屋が大活躍。

どんな手段を使うか?詳細は私も知らない。
一度だけ「別れさせ屋」のリーダーに会った事がある。
その質問を興味本位で聞いてみた。
「色々だよ」
と彼は答えた。それ以上は聴けなかった。
思うに・・・かなり“荒っぽい”事もやってる筈。
手紙や電話を使う事もあるだろうし、もっと“直接的”な“工作”を使う事もあるのかもしれない。


話がそれたので元に戻す。
名前・勤務先・住所は知っていてもA子の顔は知らないという依頼者。
浮気の証拠を掴むにはA子の顔写真が必要不可欠。
調査を始める為に、まずは「A子の顔写真をGETせよ」と言うのが今回、私に下された任務。

「仕事」の前日の深夜にY県に移動。
まずはA子の自宅と使用車両、勤務先である病院の確認。張り込みしやすい場所を探すなどの「内偵」を済ませた後に食事。
車内でコンビニ弁当だけど
そのまま、A子宅そばの路上に停めた車の中で就寝。

翌朝、A子が車に乗り自宅を出る。
気付かれないように尾行する私。
A子が勤務先の病院の従業員駐車場に車を停めるのを確認。
A子の服装、顔を確認。
ココでは無理せずに、そのままやり過ごす。
ここまでは作戦通りである。
え?
「車が分かってるのなら、何故最初から駐車場で張り込んで、降りてきた所を撮影しないのか」
ですって?
ふふふ・・・いい線いってますがまだまだ甘い。
理由は簡単。
彼女がもし休みだったらどうします?
もう一つ
彼女が駐車場のどこに車を止めるか分からない。つまり張り込みがしにくい。

ココは社員駐車場。見慣れない車があまり長時間駐車していたのでは怪しまれる
一時現場を離れて自由時間。昨晩の内偵の際、既にA子の車に「保険」をかけている。(詳細は勘弁)

夕刻に駐車場に戻る。A子の車は駐車したままである。
1時間程度が経った頃、A子が女性2人と駐車場に戻ってきた。
余計な被写体も写ってしまうが仕方ない。
シャッターを切りまくる。何度かカメラ目線になってはいるが気付かれている様子は無い。

写真の撮影は無事成功。
M主任に「無事、任務完遂」の報告を入れる。
「やったやんね!お疲れさん。戻ってきてよかよ」
その言葉を受け、私は福岡の調査事務所に戻った。

この簡単な仕事が、この後・・・
私の探偵時代の最高の手柄と、思い出に刻み込まれる事になるとはこの時は夢にも思わなかった。


以下、次回に続く。
乞うご期待

Edit / 2006.10.03 / Comment: 2 / TrackBack: 0 / PageTop↑
戸籍
カテゴリ: 探偵物語
まず最初に申し上げておきます。
今回の話は、私が探偵をやっていた当時の話で
今現在も、そういうシステムなのかどうかはわかりません。

ある日、事務所を尋ねてきた一組の母子。
子供(?)は、20歳になるかならないかという位の若い男。
母親が所長に
「実は・・・」
と依頼を切り出した。それによると・・・・。

この若い男、実はかなりの遊び人。
まぁ、たしかに外見はそれなりにかっこいい。
で、ナンパをしてはHして・・・の繰り返し。
二股三股もなんのその。
とにかくHするのが目的で、女性と関係を繰り返しているとの事。
「母親の前で言う事かよ」
「アンタもアンタだが、女もアホだ」
突っ込みどころはたくさんあるが、まずはこの依頼を「金」に変えるのが所長の仕事。黙って話を聞いていた。

ある日、男の元に一本の電話が入ってきた。
『私、あんたの子供生むから』
うろたえる男。こういうのは初めてだったらしい。
しかも「出来たから」ではなく「生むから」
相手の女とは一度だけで、電話がかかってきても適当に話す程度で、続けるつもりは全くなかったらしい。
とりあえず会って話しをする事になった。

「ホントに俺の子?」
「あんた以外としてないもん」
「どうすんのさ」
「だから生むって。ちゃんと責任取ってよね」
「俺の子でもないのにかよ」
「あんたの子だって言ってるでしょうが」
「堕ろしてよ」
「もう無理。アウトw」
「結婚なんてしねぇぞ俺」
延々続く痴話げんか。

で、子供が生まれた。
どうしても責任から逃れたい男。
責任を取らせたい女。

「まずは子供が、本当にあなたの子かどうか調べてみましょう」
と所長。DNA検査を行なうことになった。
男の唾液と、子供の唾液を採取。
検査機関に送り、検査結果を待つ事に。
その結果・・・
両者の間には「親子関係」が認められる程の一致があった。

女は、結婚は諦め一人で育てるから認知して欲しいとの主張。
ここまでくれば男は逃げられない。認知するしかない。

しかし、認知すれば、男の戸籍には子供の名前が記載される事になる。
まだ結婚もしていないのに戸籍が汚れるのは嫌だ・・・というのが母子の本音。

そこで所長がアドバイスした。
「あなた、書類上でいいから、引越しを繰り返しなさい」
なんでも、何十回と繰り返している間に戸籍から子供の名前が消えるのだそうだ。
(ここがよく分からない。法律の抜け道なのかもしれない。そして今現在もそうなのかどうなのかは知らない)


遊びすぎには要注意。
男も女も・・・ね。



追記
私、採取したのは唾液だと思っていましたが、どうやら違ったようです。
口内の粘膜?(細胞)を採取したというのが、どうやら本当。
それというのも唾液にはDNAは含まれていないようです。

Edit / 2006.08.20 / Comment: 4 / TrackBack: 0 / PageTop↑
お間抜けドライバーの浮気
カテゴリ: 探偵物語
リクエストをいただきました「探偵物語」の投稿を。

今回は私が担当した佐賀市での「事件」
佐賀といえば思い出す、はなわの「S・A・G・A さが〜♪」
あの歌でもわかるように、佐賀にはホントに何も無い。
10年ほど前までは九州内で唯一、空港が無かった。
今では空港はできたけれど、県民すら「不便だから」と利用せず、福岡空港を利用している始末。
九州人の認識では、佐賀県は福岡⇔長崎間の通過ポイント。

せいぜいが「呼子のイカ」と「唐津バーガー」
どっちも旨い。
「呼子のイカ」は呼子港側の食堂でイカの刺身定食を頼むと、頃合を見計らってゲソや耳の揚げたての天ぷらを持ってきてくれる。これが旨いのなんの。
「唐津バーガー」は所謂ハンバーガーなのだが妙に旨い。
虹の松原(だったかな?)の松林の中で、改造バスで売っている。
これを目当てにドライブがてら食べに来る若者も多い。


話が最初から脱線しまくったけれど、今回の「事件」はそんな佐賀で起きた。
依頼主は被調査人(以後、A)の妻。
Aは53歳。地元でタクシーの運転手をやっている。
依頼の内容は「浮気調査」だった。
A妻に疑念が芽生えたのは、ある日Aのスーツをクリーニングに出そうと、ポケットチェックをした時の事。
ポケットの中から出てきた意外なモノ。
それはA妻が知らない女性(以後T江)名義の電気代金請求書。

「何?これ」
Aに当然の疑問を投げかけるA妻。
「会社の事務員さんだよ。頼まれて、代わりに入金してやっただけだ」
とA。
しかしA妻の疑念が晴れる筈も無く、我が興信所に調査を依頼した。

楽勝ムード漂う仕事だった。
調査日当日は初夏の天気の良い日。
当日はAが高校の同窓会に出席する日。
同窓会の場所は佐賀市内の有名ホテル。

まずはAのマンション1階駐車場にて、張り込み開始。
出発予定時刻一時間半前に到着して、Aの出発を待つ。
仕事が運転手なだけあって、当然ながらマイカーの使用は無い。
自転車にまたがり颯爽と自宅を出るA。
出発を確認した私は車でホテルへ先回り。
Aのスーツ、自転車を頭に叩き込みつつホテルにてAの到着を待つ。

まもなくAがやってくる。
ロビーで旧友達と肩を叩きあい、再会を喜び合っている。
やがて同窓会スタート。

私はその間、ホテルのラウンジでゆとりのコーヒータイム。
AがT江と接触するとすれば、同窓会のお開き後。
それまではゆっくりできそうだ。

私は今朝方、マンションで張り込みする前にT江の自宅の内偵(下調べ)していた。
A妻からの情報でT江の住所はわかっていた。
住所の場所に行くと表札がかかっていない。
そういう場合、その場所に住んでいるのが間違いなくT江なのかどうなのかを確認しなければならない。

私は車に積んでいる作業着に着替え、空のダンボール箱を抱えてチャイムを押した。
中から出てきたのは50歳は過ぎているであろう大柄で、ぶっちゃけて言えば
ブ○な女性。
「こんにちは〜すみません、ちょっとお尋ねしたいんですが」
と私。
「どなた?」
「○○軽運送の○○と申します。こちらの住所宛に御荷物が届いてるんですが
こちら川崎さんのお宅でよろしかったでしょうか」
この苗字は実はでたらめ。T江の苗字はT崎。
「いいえ、違いますよ」
「あれ!すみません!住宅地図が古いもんやけん・・・名前が違っとうとでしょうねぇ・・・」
わざと方言を使い、相手を油断させるテクニックである。
念には念を入れ、持参してきた住宅地図を見せる。
「ああ・・・こりゃホントに古いねぇ」
と笑顔を見せる女性。完璧な作戦!
「すんませんでした。この地図、名前を書き直しときたいけん、よかったら名前ば教えてもろうてよかですか?」
「私?私はT崎T江」
ビンゴ!!確認が取れた。ここの住人は間違いなくT江である「裏」が取れた。

『T江は美人じゃなかったけど、感じはいい人っぽいなぁ』
そんな事を考えつつコーヒーを飲んでいた。
そうこうしている内に同窓会終了。
三々五々解散していく出席者たち。

Aの後を追う私。
意外な事にAは、T江宅とは違う方向に自転車を走らせている。
走って追いかける私。
日頃の運動不足がたたり、1.5キロほど走った辺りで力尽きた。
尾行失敗である。
が、そこで私は致命的なミスに気付いた。
「アイツ・・・Aじゃない・・・」
真っ青になる私。急いで車に戻り、T江宅に急行。

T江宅玄関前にAの自転車がある。
Aはココに来ている!安堵する私。
幸い、T江宅のまん前に、その全てを見渡せる駐車場がある。
そこに車を停めて張り込み開始。

やがて勝手口からT江が出てきて洗濯物を干し始めた。
愛用のカメラでT江を撮影。私とT江の距離は10メートル程。
目と鼻の先である。しかし、車にはミラータイプのスモークを張っておりT江
からコチラは見えない。
どアップで撮りまくる。
浮気の後ろめたさからか、Aも時折窓を開け、周囲を警戒する素振りを見せる。
しかし間抜けである。わざわざシャッターチャンスをくれているとしか思えない。
スーツは脱いでいて、アンダーシャツ一枚の格好でファインダーの中に現われてくれている。
女性一人暮らしの部屋の中で、下着姿でいるのだから普通の関係ではあるまい。
浮気は間違いなかろう。
証拠写真は既に充分に撮影している。
後はばれない様に気をつければいい。

Aはやがて自宅に戻った。満足げな笑顔である。
その笑顔もバッチリ撮影。

Aの帰宅を確認し調査終了。
早速福岡の事務所に戻り、調査報告書を作成。

報告書を読んだA妻の怒りは凄まじかったらしい。
「T江を家に連れてきて二人で土下座しなさい!!」
と言ったとか。

浮気なんかするもんじゃないですよ。
女性の勘は鋭いです。
「コイツが怪しい!!」
依頼者が疑惑の相手の名前を挙げた場合、私の知る限り95%は当たってます。
男性諸氏、浮気をする時は覚悟の上やりましょうね。
Edit / 2006.06.01 / Comment: 4 / TrackBack: 0 / PageTop↑
家出娘を探せ!!3(完結編)
カテゴリ: 探偵物語
翌日、B子(が使用していると思われる車)に動きがあった。
いや、正確にはB子と思しき人物なのだが。
車に乗り込むところが、張り込みポイントからは死角になっていて誰が乗ったのかは確認できていないが、車が家を出た。
さっそく追尾開始。

車内の人影は二人。運転席と助手席に頭が見える。
車は街中に向かっている。「つかず離れず」を心がけながら尾行する。

やがて車は銀行の駐車場に入った。
私はその隣の店舗の駐車場に入り、望遠レンズがついたカメラでその二人を確認し、撮影した。
車から降りたのは一人だけ。どうやら骨折しているらしく、片足にギブスを巻いて松葉杖で歩いている。身体的特徴からB子であることはほぼ間違いない。
この車はB子の使用車両と判断した。
私も車を降りた。B子の姿を確認したのだから次は運転席に誰が座っているかだ。銀行に行くフリをして車の横を正面から通り過ぎる。
運転席にいたのは、帽子を目深に被った若い女性。(以後C子)
妹の可能性もある。車内に座っているため身長などが判らない。
しかし一つ腑に落ちない。
普通なら・・・足を骨折している人間を気遣い、連れが代わりに銀行に行っても良さそうなシチュエーションだ。もし、二人が兄弟なら尚更だ。

この女がA子かもしれない

C子=A子?という事を考慮しながら、尾行を続行。
C子が妹の可能性も当然ある。慎重に調査しなければならない。
B子が車に戻ってきた。なにやらC子に話かけている。
聞き耳を立てるが聞き取れない。仕方なく私も自分の車に戻る。

B子とC子の車は続いて、近所のレンタルビデオショップへ。
B子が手に何かを持って降りてきた。C子はまたも車内に残る。
B子の顔をはっきりと確認する。
こう言うと女性読者からお叱りを受けそうだが・・・ひどいブ○である。
女なんだから外出する時は、もう少しだけ考えればいいのに・・・と思うくらい外見に気をつかっていない。髪も服も、そして化粧も。
しかし、私が一番気になったのは、そのB子の「目」だった。

私は探偵になる前はホテルマンだった。(今もそうだがw)
そのホテルマンとして勤務していた頃に、バーテンダーやウェイターという仕事を通じて色んな客と接してきた。そのおかげで「目」を見ればおおまかな人間性が「読める」ようになった。
B子はあまりいいタイプの人間ではなさそうだった。
A子が失踪した際、両親はB子を疑っていたらしい。
「B子がA子をそそのかし借金をさせ、その金で一緒に遊んでるんじゃないか」
なるほどB子の目を見れば「そういう事もあったかもな」と納得した。

B子はレンタルしていたものを返却。
彼女が車に戻り、車は自宅へと戻った。

その日の夕方、再び二人が動いた。
どうやらこの日は近くで結構大きな祭りがあるらしく、二人はそこに向かう様だ。道路整理に警官も出ていて、駐車場も大きな駐車場が数箇所用意されている。車のナンバーを見ても近隣からかなりの来場者がきていてかなり大きな祭りらしい。
私は警官の誘導により、ここで二人の車を見失った。完全な失尾(尾行に失敗し見失う事)である。
この人手の中、私一人で二人を捜し当てるのは不可能だった。
何しろ会場もデカイ。

ここで主任に業務連絡。
「すみません。失尾しました」
事情を説明し、C子の存在を報告。
『で?どがんね?その女がA子ね?』
「そんな気もするんですが確証がないんです。妹かもしれないし・・・顔がわかれば良いんですが・・・」
と軽く「嫌味」を混ぜてみたw
『どっちね、はっきり決めんね』
そんな無茶な。
「もう少し時間を下さい。今の段階じゃ決めかねます」
軽くムカつきつつ電話を切る。
駐車場で二人が戻ってくるのを待つ。
数時間後二人が戻ってきた。手にわたあめやらなんやら、いくつか縁日の商品を手にしている。
B子の携帯に電話をかける。B子が反応するのを確認して電話を切る。
B子(として尾行してきた女)は間違いなくB子だった。
A子が携帯を持って失踪してれば、ここでB子ではなくA子に電話をかけ、目の前のC子=A子かどうかを確認するのだが・・・。
残念ながら多くの失踪者がそうするようにA子も携帯は持って出ていなかった。
しかし、情報として得ていたA子の身体的特徴と、C子のソレは一致していた。
写真さえあれば、この時点で断定できたのだが・・・。
「あ!A子やん!!」
と声をかけ、C子の反応を確かめようかと思ったが、それが原因で再び逃げられては元も子もない。この方法は断念した。

しかしC子=A子という考えは、私個人の脳内では揺るぎない自信に変わりつつあった。

その日、一晩考えた。
そして結論を出した。
翌日、主任に報告後、所長に電話で報告した。
「A子さんを発見しました。現在B子宅にいます。御両親に迎えに来るように伝えて下さい」

一時間後、依頼者夫婦がB子宅にやってきた。
祈るような気持ちで張り込み続行。
やがてC子がA子の母親に肩を抱かれながら、依頼者の車に乗り込むのを確認。
やはりC子=A子だったのだ。

A子の借金は、全て両親が肩代わりして返済していた。
A子はこれで日常に戻れる筈。
探偵になってよかったと心から思った一件でした。
Edit / 2006.05.09 / Comment: 7 / TrackBack: 0 / PageTop↑
家出娘を探せ!!2
カテゴリ: 探偵物語
「写真無しでやってみて。じゃ」
そう言って主任が電話を切った。
途方に暮れそうになる俺。

しかし文句を言ったところで、状況が変わるワケでもない。
やるしかないのである。

考えてみる。

よく考えてみる。

もっとよく考えてみる。

季節は初秋。段々肌寒くなってくる頃。
A子の家出は夏だったから、せいぜいTシャツくらいしか持って出ていない。
依頼人である両親からの情報でもそれは明らか。
多重債務者で、各ローン会社の限度枠一杯借りているA子は、所持金もたかが知れている(筈)。
という事は・・・・ジャンバーやジャケットを取りに、部屋に戻ってくる可能性もある。

という事で・・・・
クリップを細工して作った小道具を、部屋のドアの隙間に仕掛ける。
この仕掛けに変化があればドアを誰かが開けたという事。変化がなければその逆。
結局、仕掛けに変化は無かった。

所持金も少なく、着るものもロクに持たずに失踪したA子。
「最悪のケース」も可能性としてあるが、誰かに保護されて(匿われて)いる可能性も有る。
誰かとは誰か。
仲のいい友人ではなかろうか?と考えた。

両親から所長を通して話を聞く。
前の職場で知り合った、B子の名前が浮上する。年齢も同世代。
A子の失踪時、両親はB子に電話し事情を聞こうとしたが
「何も知らないし、聞いてない。最近は連絡もとっていない」
と言われたとの事。
しかし、今のところ手がかりはB子しかない。
B子の住所に向かった。

B子の家は長崎県内の海沿いの町にあった。
A子のアパートからは車で30分程度。
アパート等での一人暮らしではなく実家で、家族と同居していた。
家を確認したところで、張り込みポイントを決めた。
比較的いい場所を見つけ、張り込み開始。

その日は動きが無かった。
深夜になり内偵を開始。
まずは表札で家族構成を確認。
幸いB子の家の表札は苗字だけでなく、家族の名前が全て記されていた。
兄弟は3人。兄とB子、そして妹。
自宅の駐車場には車が2台。車内のアクセサリーからB子が使用していそうな方に、ある調査道具をしかける。
詳細は書けないが、私たちはそれを「ペッタン」と半ば暗号で呼んでいた。
車が絡む調査には不可欠の道具である。
この日の調査はコレで終了した。


ここで一旦、投稿します。
昨夜、一睡もせずに仕事した為描きながら「落ちて」ましたww
引き続き、続きを書きまして投稿します。
Edit / 2006.05.09 / Comment: 2 / TrackBack: 0 / PageTop↑
家出娘を探せ!!
カテゴリ: 探偵物語
前ブログから読んで頂いている方はご存知かと思いますが・・・
私はかつて、某大手興信所の調査員、つまり探偵として勤務していた時期があった。
調査内容は「浮気調査」「行動調査」「ストーカー対策」「家出人捜査」等、様々。
そんな探偵時代の思い出を書き綴っているのが、カテゴリ「探偵物語」。
ブログ引越し後初の「探偵物語」の投稿は、私が担当した家出人捜索のお話。

家出人捜索を受件する場合は、依頼人が親族である場合に限られる。
今回の依頼も当然、家出人の両親。
(探偵を辞めた今でも秘守義務があるので、個人情報につながる詳細は省きます)

家出人は依頼者の娘。20代前半の独身女性(以後A子と称す)。
家出に関しての書置きなどは無く、ある日突然、一人暮らしのアパートから姿を消した。
部屋の中の家財道具は残っており、数着の衣服や財布等を持って出た以外は
所持品をロクに持ち出した形跡は無い。
家出の理由は「多重債務」
家賃も滞納していたが、大家から連絡を受けた両親が肩代わりした為、部屋は
そのまま残されていた。

長崎県での調査となったこの「事件」
まず最初は、福岡調査室のエースM主任がとりかかった。

A子のアパートを数日張り込みも変化無し。
他の現場への移動も近付いてきた。
そこに「浮気現場の証拠写真を撮影したら終了」という「仕事」をしていた
私から業務連絡の電話。

「主任!やりましたよ!!ホテルから出てくる二人をバッチリ!!二人の顔も車のナンバーもキレイに写ってます!!」
と俺。
「ほんなごつね!?やったやんね!!」(本当に!?やったジャン!!)
と主任。
てっきり事務所に戻り、調査報告書の作成を命じられると思っていた俺。
一週間ぶりに布団で寝れる!!そんな期待で一杯だった俺。

「そしたら俺と交代」
「は?」
予想外の展開に驚く俺。
「主任の現場、今ドコでしたっけ?」
「長崎」
「俺、今山口なんですけど」
「高速使えばよか」
「はぁ・・・んん?今からですか!?」
「待ってるから」

自分のアパートに戻って、ビール飲んで、布団で寝るつもりだった私の計画はお預けに。
山口の現場を撤収し、急ぎ長崎へ。
ちなみに時間は21時過ぎだった。長崎に着いたのは真夜中。

A子のアパート前でM主任と合流。
内偵がてらA子のアパートと勤務先を廻り、依頼書と周辺の地図をまとめたファイルを引き継ぐ。
二人でファミレスに行き食事を共にする。
俺が山口で撮影した証拠写真と、ネガを主任に手渡し主任と別れた。

主任から教えてもらった仮眠ポイントに移動。
8日目の車中泊。
「エコノミー症候群で死ぬかもしれない」
ぼんやりと自分の死因を推理しながら眠りにつく。

夜が明け、A子宅に移動。
途中のコンビニで買った朝食、パンと牛乳を胃袋の中に納めながらA子の特徴を再確認。

「身長160センチ程度、体重(忘れた)キロくらい。かなりの痩せ型。
メガネを使用。黒髪でショートカットか・・・・・借金総額・・・500万円程度・・・アコムや武富士などのサラ金業者・・・クレジットカードでの買い物も多数・・・・」
状況を改めて頭に入れていく。
「あれ?」
ファイルをあさる。
「おや?」
再度あさる。

写真がない

主任に電話。
主任は既に、福岡県にある航空自衛隊築城基地そばの現場に入っていた。
「写真がないんですけど」
「ごめん。俺の車にのったまま」

ごめんって・・・・

「特徴は結構細かく書いとーけん判るやろ?」
「いやぁ・・・・自信ないかも・・・」
そりゃ、部屋の鍵を開けて中に入れば
「アイツだ!!」
と思うだろうけれど。
街中には、その条件を満たす女なんて掃いて捨てる程いる。

「とにかく写真無しで頑張ってみて。じゃ」
電話が切れた。

一体どうなってしまうのか!!(ガチンコ風)

次回に続く
Edit / 2006.05.06 / Comment: 8 / TrackBack: 0 / PageTop↑
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プロフィール

やまさん

Author:やまさん
Illustrations by 「遼」さま

ライブドアブログより引っ越してきました。

趣味は、キャンプやバイクツーリング、読書、インターネット、ゲーム等。
現在独身の♂。
誕生日は2/22(ここ重要)
「ブログもプロレス」をモットーに楽しんでもらえるブログ作りを心がけてます。
どうぞ皆様御贔屓に。

前ブログ「やまさんのお気楽日記」
http://blog.livedoor.jp/yamasann0940/

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悪しからずご了承くださいませ。


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